行政書士試験は何時間くらい勉強すれば合格できるのか?

2023年1月25日に令和4年度の行政書士試験の合格発表がありましたが、合格率は前年度より少し上がり、12%程度となりました。前年度と比較すると、択一式の問題の難易度は高くなったものの、その分記述式の採点が甘くなったので、結果的に合格しやすくなったのかなと個人的には思いました。

行政書士試験は択一問題と記述問題があり、合わせて300点満点(択一240点、記述60点)の試験です。

300点中180点以上(6割)で合格する絶対評価(表向き)の試験なのですが、行政書士試験の合格率が試験問題の難易度に関わらずだいたい10%程度で推移していることを考えると、一定の調整をしている(記述式の採点の基準で調整している)と考えられるため、合格を目指すにあたっては全体の中で上位10%に入るための勉強をする必要があると考えた方が良いでしょう。そのため、実質的には相対評価の試験であると考えて臨む必要があります。

600時間から1000時間程度勉強すれば行政書士試験受験者の上位10%に入れる(合格できる)と考えられる

これは自分が実際に行政書士試験を受験し、合格した体験的な肌感覚から算出された勉強時間になりますが、だいたい1年の間に600時間から1000時間程度勉強すれば合格できる試験だと思いました。体感的に800時間くらいに到達したときに高い確率で合格できそうだと感じました。なので、個人的には800時間を一つの目安にしてもらいたいと考えています。

ポイントは、「1年間で」というところです。ある程度短期間のうちに詰め込む勉強をしないと細かい条文などは忘れていってしまいますので、できれば1年間のうちにまとめて勉強する時間を確保して臨んでください。勉強していてもとっつき難いと思うことはあっても難しくて全然わからんということはあまりなく、基本的に忘却との戦いです。

何年も合格できない方を見ていると、特徴として、コツコツ勉強してはいるが、1日に勉強している時間が少ない傾向にあると感じます。

例えば、1日1時間の勉強を2年(730時間)続けて行政書士試験に臨むよりも、6か月で730時間勉強した方が合格可能性は圧倒的に高いです。

働きながらだと1日に勉強できる時間を確保するのは難しいかと思いますが、隙間時間なども有効活用しながら勉強時間を確保してください。行政書士試験は移動中などの隙間時間を有効活用できる形の勉強が可能です。

なお、具体的な行政書士試験に合格するための勉強法とかは、別のサイトになりますがスタディング行政書士講座の評判はどう?実際に使って合格した経験から解説!【安いだけじゃない】スタディングだけで行政書士試験に合格した私がスタデングについて説明で解説していますのでこちらもご参照ください。
※私はスタディング使いました。

基本論点と思考力が重要な試験だから短期で合格ができる

行政書士試験の特徴として、難しい論点の知識問題はあまり出ないということがあげられます。

法律家を目指す上での登竜門的な位置づけの資格試験と言われることも多いのですが、まさにその通りだなと個人的には感じました。

ただ、試験問題が楽という事ではありません。
難しい論点やマニアックな知識を問うというよりは、基本的な知識を活用して「思考させる」問題が多いのです。

なので、勉強スタイルとしては、基本論点をしっかり押さえることを重点的に意識してやり、後は問題を解くコツをしっかり体に叩き込むのが良いと感じました。

過去問を解くときも、ただ単に知識を当てはめて解答していく方法で勉強するのではなく、問題文と各選択肢をしっかり理解し、理由付けをしながら選択肢を絞っていく感じでやると実力がかなりアップするかと思います。

どちらかというと、知識力よりも国語力が試させる試験だなと思いました。

それ故、知識を叩き込む勉強は思ったよりも少なく済みました(感じ方に個人差はあるかもしれませんが)。だから短期合格(数カ月程度)が可能な試験となっています。センスがいい人は結構短期で合格するという話も聞きます。

なお、念のため補足しておきますが、基本論点の問題が多いと書くと楽そうに見えるかもしれませんが、その基本論点の範囲は広いです。難しいことはそこまで多くないのですが、覚えることはそれなりに多いです。分野によってはつまらなくて全く頭に入らないという箇所もあるかと思います。そのため、基本を押さえるだけでも普通の人にとっては大変なことですので、相応の勉強時間(800時間程度)が必要となります。私は勉強を始める前までは1つ1つの条文を一言一句間違えずに覚えないといけないと思っていたのですが、そのようなことは無かったので、そういう意味で思ったよりも知識の叩き込みが必要無くて助かったというところです。

まずは勉強時間が確保できそうかどうか判断する

行政書士試験は他の難関国家資格と比べれば難易度は低く、楽なのは間違いありませんが、一般的な資格試験(簿記2級や宅建等)の感覚で勉強を始めると後悔するかと思います。

そのため、試験日までの日にちを逆算し、トータルで800時間程度勉強ができそうかどうか確認し、勉強を始めるかどうか検討してみると良いでしょう。

ネット上などでは、行政書士試験とか楽でしょ(笑)見たいな書き込みも見かけるのですが、実際勉強してみて、結構大変でしたので舐めてかからない方が良いです。

この記事を書いた人

樋口智大

行政書士試験合格者。
行政書士登録及び行政書士事務所開業準備中。
アローコンサルティング、株式会社インテグラルベース代表取締役。
Web領域を始めとして各種経営に関わるコンサルティングサービスを提供しています。